とんかつについて
Wikipediaの『豚カツ』の項の編集・執筆者で、ノート(編集・執筆者の議論用のページ)で喧々諤々の議論を続けています(後記・時間が経ってから見に行ったら、当時の議論は倉庫に隠されてしまいました)。みなさんはとんかつ屋さんに入ったことはありますか? なくても「とんかつ」の看板はあちこちで見かけると思います。なのにWikipediaの項目名は「豚カツ」です。明治時代かよ。
とんかつの発祥は昭和4年、御徒町の「ポンチ軒」(戦災で失われた)という説が広く知られていますが、この店はじつは、いまも残る「ぽん多本家」だったという説があります。この説は小菅桂子さんが、著書『にっぽん洋食物語大全 (講談社+α文庫)』でほのめかしていた説です。読んだときはそんなバカなと思いましたが、しかし時間がたって、ひらがなに「変体仮名」というものが存在することを知りました。
「た」の音を表記するのに、漢字の「太」に由来する「た」と、「多」に由来する「多(フォントのコードがないので代用)」があったのです(2012年に火事を出した「かんだ藪そば」の「だ」も、「多」に由来するものでした)。
「ぽん多(た)」という看板は、そそっかしい人が読めば「ぽんち」に見えたかも。当時は文盲の人も少なくなかった。また「ぽんち」という名前は座りが悪いので、食い物屋らしくと勝手に「軒」をつける人がいて「ポンチ軒」という架空の名前が生まれ(じつは「ぽん多」)、それが落語に取り上げられて有名になり、広まってしまったと想像します。(2019.3.24大幅に編集)
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かしゆか大黒柱説
いまさらですが。
http://twitter.com/tsuda/status/2047242662
YMOのリーダーは細野晴臣。1977年当時のディスコブームに目をつけて、若い(といってもすでにアラサーの)坂本龍一、高橋幸宏に声をかけてYMOを結成した。しかし、3人のうちで、才能と美貌ですぐに人気が突出したのが坂本龍一である。細野と坂本のふたりはしばしば対立し、それを調停するキャラとして高橋幸宏がいたらしい。
細野=あーちゃん、坂本=のっち、高橋=かしゆかという見立てをしてみた。のっちがあーちゃんと仲が悪いかどうか知らないし、いちばん人気があるかどうかもわからん。しかしダンスパフォーマンスで突出しているのは確か。声の質と歌い方は、3人のうちではハード寄りかもしれない。
しかし、パフュームにおいてかしゆかの存在も重要である。PVでカメラをまっすぐ見つめるかしゆかは、目をそらし挑発するような他のふたりに比べて、なんて純真なキャラかと思わせる。おととしのNHKの特番でも、「パフュームをずっと3人で続けていきたい」とコメントしていた。パフュームの大黒柱の役割を担っているのがかしゆかなのである。
ラブプラス
去年秋に発売されて話題になっているニンテンドーDSのゲームを、借りることができたのでプレイした。ツンデレ・妹キャラの小早川凛子とステディになったが、むずがゆさに耐えかねて、これ以上進めることができなくなった。声を演じているのは丹下桜で、アニメの『カードキャプターさくら』のさくらとおなじ人だ。
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明日の広告─変化した消費者とコミュニケーションする方法
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著者はwww.さとなお.com]の運営者として有名な人。カレー評論家の小野員裕の本で知りました。著書も多数あって、以前『うまひゃひゃさぬきうどん』(ISBN:9784334781613)を読んだけど面白かった。「うまひゃひゃ」というのは造語で、ある店の讃岐うどんを食べたらあまりにおいしくて、食べながら笑い声を上げたという経験に基づくものだそうです。
本業は大手広告代理店の広告マン。この本は本業について書いたものなので、本名で発表したそう。著者によると、この10年のあいだに日本で流通する情報量は410倍にもなったそう。「スラムダンク1億冊感謝キャンペーン」という、コアなファンを対象にした無料イベントに関わり、成功させたというレポートは感動的。アマゾンのレビューでもこの本の高評価が並んでいる。
2ちゃん(そして個人ブログ)がつまらなくなったのは、厨房の跋扈でまともな書き手がいなくなったからではない。読むほうが情報の処理に忙しくなって、どうでもいい書き込みをスルーせざるをえなくなったからである(そのせいで突っ込みによる展開も起こらなくなったのは不幸だが)。いまはまだ、このことがよく認識されていないが、2年3年かけて徐々に認識されていくのだろう。
テラビシアにかける橋
公式サイト→http://www.terabithia.jp/
なんでもいいから映画を見たいというわけで、適当に調べて見に行ったのがこの映画。これが年に一本あるかどうかという良作だった。前田有一さんが「超映画批評」でオススメ。彼のオススメポイントは主演のアナソフィア・ロブの可愛さ。このライターのいいところは男性の快感原則に率直なところで、じつはそういう部分でけっこう信頼を置いている。
さて地元のシネコンの夜10時30分の回に入場したら、客がトータル5人。しかしこの時間なら多いくらいである。
アナソフィア・ロブの初登場シーン。けっこう吊り目で目線が強い。思ったより人なつこさがある。人気モデルのオーラも感じられる。日本でいうと榮倉奈々みたいなポジションか。児童文学が原作の、大人の鑑賞にも堪える文芸映画と思っていたのに、結局この女優を売るための映画か、という気もした。
小中学生のころに戻ったような気分になった。宮台真司先生は「見たあとに世界が違って見えるようになるのがいい映画だ」とおっしゃったが、まさに見終わったあとに世界が違って見えた。
現実に何かを得たわけではない。たとえば、新たに知り合った女性の携帯番号とかゲットしたら、けっこう収穫感があるだろう。でもスクリーンの中で疑似体験として美しい友達を得て、その喪失を体験しただけ。そして現実に帰ってきて、思い出だけが残った。
疑似体験なのに喪失体験は本物というシンクロのしかたが面白い。