otkoygのブログ

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赤塚不二夫のことを書いたのだ!!

赤塚不二夫のことを書いたのだ!!

赤塚不二夫のことを書いたのだ!!

赤塚の伝記は何冊も読んだ。その中で長谷邦夫の『漫画に愛を叫んだ男たち トキワ荘物語』はいやな読後感が残って、もうこの関係の本は読まないつもりだった。しかしこの本は夏目房之介さんがブログで紹介していたせいで、あえて読むことにした。
これがとてもいい読後感だった。面白いし笑える。著者は小学館に就職して編集者としてマンガ一筋36年、部長職まで務めて定年退社した人だ。そういう人が自分のバカエピソードを平気で披露している。のちに社長になるジュニアとカラオケする機会があったとき、「♪楽しーて、社長になーる」と植木等の歌を歌い、ジュニアを指さしたそうだ。のちにジュニアから、「私はあなたが嫌いです」と言われたとか。

フジオ・プロの社員旅行に参加したとき、あだち勉(充の兄)に風呂で説教をしたあげく、顔に小便を掛けたとか。
ほかにもいろいろ赤塚グループの夜の武勇伝やいたずらの数々が紹介されている。武居のバカは、赤塚の教育のたまものだった。

武居は新人のころ、赤塚によい編集者とはどういうものか教えられた。武居自身の資質もあるだろうが、その教えを守って成功した。この本は、後輩編集者たちへの助言でもある。

赤塚ギャグマンガの到達点とも評される「レッツラゴン」は、赤塚・武居の共作だった。

熊のベラマッチャが旅館に泊まり、宿の主人が「学生さん」と呼びかける。
「なんだね、ドストエフスキーくん!!」とベラマッチャが答える。

このセリフを発案したのは、武居だった。これをきっかけに「レッツラゴン」は狂気の世界に突入していった。ふたりは二人三脚で、前人未踏のギャグの極北をめざしたのである。

参考リンク
http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/003576.html
http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/003988.html