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クリント・イーストウッド

変な俳優であり、映画監督である。いまどきの映画監督としては古い映画語法を使うので、それゆえ貴重な存在になっている面がある。阿部和重中原昌也青山真治らシネフィル連中の関心度も高い。わたしは、小林信彦のコラムでイーストウッドの偉さを教えられた。平易な小林コラムを愛読している時点で映画ファンとしては低レベルだと自嘲しておく。じっさい「バード」さえまだ見ていないのだ。フォレスト・ウィテカー好きなのに。…あした借りよう。
10/1(日)の昼、WOWOWで「クリント・イーストウッド 天性の直感」というドキュメンタリーが放送された。なにげなく見ていたらテレビが消せなくなり、外出できなくなってしまった。映画人としての人生がこの上なく名誉に包まれているばかりか、私生活も華やかである。入籍せずに終わった事実婚フランシス・フィッシャーはいまでも彼のファンで、嬉々として取材に応じていた。テレビのインタビュアーとしてイーストウッドと出会った現在の妻、ディナ・ルイスとは、ファン同士として仲良くつきあっているという。うらやましい。
11/3(木)の夜、NHK BS2で「アクターズ・スタジオ・インタビュー/クリント・イーストウッド 自らを語る」が放送された。録画してゆっくり見たら、ほかのゲストのときと雰囲気が違った。イーストウッドはゆったりと鷹揚で、ユーモリストであり、生徒(観客)をたえず笑わせていた。だが、もともとこの男は不良の匂いで売ってきたのではなかったか。顔もちょっとストーンズミック・ジャガーに似ているし。彼の「しかめっ面」の映像的強度は、ブルース・リーの「怒りの表情」に匹敵する。
日本語吹き替えを一貫して担当したのは「ルパン三世」の山田康雄である。TVドラマ「ローハイド」(1959〜1966)以来の吹き替えである。ともに成長できた幸福な出会いだった。若い人は「ルパン三世」と「ダーティーハリー」が同じ人の吹き替えと知ったら驚くだろう。残念ながらDVDの「ダーティーハリー」には吹き替えが入っていない。
今年の1月、テレビ東京で「ダーティーハリー」の吹き替え版が1から5まで放送された。そのうち3〜5を録画した。4はイーストウッドの監督作である。主人公のハリーは何か困った事態に陥ると、必ず「泣けるぜ」という科白を吐くのがユーモラスだった。
ハリーが独り住まいの自宅に帰ると、なぜか同僚が押しつけた犬が鎮座している。その犬が絨毯におしっこを始める。ハリーはしかめっ面をしてつぶやく。
「泣けるぜ」
なんだか長くなった。とりあえず登録します。