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爆発道場

福井晴敏×樋口真嗣 爆発道場

福井晴敏×樋口真嗣 爆発道場

角川書店の濃いオタク雑誌「特撮エース」の連載の単行本化である。福井晴敏がここまでやるか!というほどのサービス精神を発揮しているのが読みどころといえる。こちらもテンションが上がったし、笑ったし、感動されられた。


新知識も得た。映画の画面サイズは横長のシネスコとビスタに大別されるが、シネスコにもほんとうのシネスコとにせのシネスコがあるのだ。ほんとうのシネスコは、アモルフィック・レンズといういまでは骨董品に近い古いレンズを使わなければならない。しかし現在では、ビスタで撮って上下をマスキングする疑似シネスコが主流である。樋口に言わせると、これだとパースがつきすぎて、黒澤映画で見られたような圧縮感や緊張感が表現できないのだそうだ。へぇーへぇー。ちなみに「ローレライ」で使ったカメラは、「ロード・オブ・ザ・リング」の撮影で使われていたものだそうである。もちろん真のシネスコ用カメラである。
映画によってカメラがパンしたとき画面が歪むのが気になっていたが、答えを得た(これが真のシネスコの味わいだったのである)。近作では「交渉人 真下正義」がそうだったかな。