otkoygのブログ

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遥かなる大地へ

いきおいで見てみました。『∀ガンダム』との共通点より相違点が目につきましたな。
貧しいアイルランド小作人トム・クルーズは、領主の娘ニコール・キッドマンを憎んでいて、なりゆきでいっしょにアメリカに行くことになっても、反抗心を失いません。いくらニコールの気位が高くても、タメ口はきくし、腕力では上だと思っている。これがまあふつうの態度でしょう。
ところが『∀ガンダム』の主人公ロランは、雇い主の娘・キエルを神のように崇拝していて、もどかしいまでに使用人根性のままです。たしかに彼は、さわやかなキャラではあるのですが…。
∀の失敗、ではなくて商業的不成功は、女性上位の時代に媚びたような主人公のキャラ設定にも一因があったのではないか、と思えてきます。

単体としてこの映画の感想を書けば、ロン・ハワード監督の古いハリウッド映画的な、〈普通の〉演出ぶりが心地よかったです。いまどきこんな普通さを貫くというのは、逆に大変な反骨精神と言えるのでは。トムとニコールもたいへん絵になる美男美女ぶりでした。