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男たちの大和/YAMATO

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感想の書きにくい映画である。Yahoo!ムービーではユーザーレビューがいま675件書かれ、ほとんどの人が5点満点中5点をつけている。これを見て勇んで見に行ったのだが、結論を書くと欲求不満の残る映画だった。
商品としては大成功である。しかし作品としてはどうか。監督の才気がまったく感じられなかった。これは、凡庸なセンスの(しかし権力は大きい)製作者が、おとなしい監督を動かして作った必然的な結果であろう。
サイゾーが、製作者の角川春樹の傍若無人ぶりを伝えている。いわく、彼は撮影に必要がないセットの艦首部分を、鶴の一声で1億円もかけて増築させた。そして義兄弟の契りをかわした長渕剛とともに、菊花紋章の前でツーショットを撮ってご満悦だったそうだ。この映画を象徴するエピソードではないか。
映画瓦版の服部さん、超映画批評の前田さんのレビューを確認してみたら、両人は好意的な評価をしていた。
happysadさんは、作品評は避けるとしながらも、現役脚本家の批判的な発言を紹介している。(http://eigakan.blog6.fc2.com/blog-entry-345.html)ただ、このエントリーの深さは、映画を見たあとでないとよく理解できない。


もし10代の人で(年輩の人は頭が固くなっているので放っておくしかない)「これが感動的な映画」と思いこんだ人がいたとしたら、ちょっと待って。まずは最盛期の黒澤明(「用心棒」)や、イーストウッド(「荒野のストレンジャー」)などを見てよ。自分がいかにコケにされていたか、徐々にでも理解できよう。