otkoygのブログ

Twitter : MT515

『マインド・ゲーム』(04)

マインド・ゲーム [DVD]

マインド・ゲーム [DVD]

WOWOWで放送したので見た。去年、杉井ギサブローが『アニメージュ』の連載(「アニメでお茶を」2004.9)で絶賛していたのでいつか見たいと思っていたのだ。杉井さんはなんでもホメる人だけど、ホメ方の熱意が違っていた(笑)。
『DEAD LEAVES』(04)asin:B0002AOTXM・アニメだが、もっと緩急自在かつアイデア豊かで、目をひきつける力があった。
主役の声を演じた今田耕司がなかなかよい。『じゃりん子チエ』みたいなベタな人情話と見せかけて、かつてドラッグムービーの代表のように言われた『ダンボ』のピンクの象のメタモルフォーゼを全面展開するという感じ。これぞアニメーターの「夢」かも(ダブルミーニングで)。
原作はロビン西(よく知らない)。監督・脚本は湯浅政明。劇場版『クレヨンしんちゃん』で名をとどろかせた人だ。
杉井ギサブローに言わせると、森本晃司中澤一登小池健湯浅政明など、日本のアニメーターの腕は数年前から頂点に達していて、いまは手描きアニメの爛熟期といえるかもしれない。だから、先鋭的なアニメーターにやりたいことをやらせている本作のプロデューサー・田中栄子*1のセンスと決断力はもっと讃えられるべきだし、受け手のほうもこういう作品を受け入れるゆとりがもちたい、と。

*1:STUDIO4℃のプロデューサー。ほかに『アニマトリックス』などを手がけている。